ハーモニィカレッジを陰ながら支えて下さっているサポーターの方々を紹介する「Harmony College Supporters」の第三回目は、東京都在住の筧 邦男(かけひ くにお)さんです。ハーモニィカレッジではこれまで約25年間子どもたちに体験の場を提供し続けてきましたが、筧さんはハーモニィカレッジ設立当初より支え続けて下さっています。鳥取大学獣医学科を卒業後、日本中央競馬会に獣医師として就職し、その後は同会の常務理事として日本の競馬界でご活躍されてきました。また、日本山岳会にも所属されており、社会貢献の一環として子どもたちを山に連れていき、自然の楽しさや厳しさを教える活動もされています。現在84歳ですが、今もハーモニィカレッジを物心の両面から支え続けて下さっています。
~自己紹介~
昭和12年1月1日、鳥取生まれです。よく誕生日を「ホントなのか?」と疑われるのですが本当です(笑)。私は鳥取大学獣医学科を卒業後、日本中央競馬会に競走馬の臨床医として就職しました。最終的には同会の常務理事として主に競馬の公正な運営・実施をする業務に従事してきました。仕事を通してスポーツとしての競馬・健全な乗馬の普及、馬文化、競馬の国際交流に貢献したいと思い働いてきました。退職した今は東京で暮らしていますが、年に5,6回は鳥取へ墓参りや観光大使の役目で帰省しています。
~支援をしようと思ったきっかけ・支援内容~
ハーモニィカレッジとの出会いは東京の読売新聞の紙面でした。詳しい年は忘れましたが、ハーモニィカレッジが設立してすぐくらいの頃だったと思います。生まれ故郷の鳥取で、馬を通して不登校児童の支援をする団体があるという記事でした。気になったので、お盆の帰省の際に、当時は鳥取県八頭町の八東にあった牧場に立ち寄ってみました。そこに石井さん(*当法人創設者)の姿はありませんでした。他のスタッフがいるでもなく二頭の馬しかいませんでした。仕方がないので「何か困った事があったら連絡して下さい」と名刺に書いて牧場に置いて帰りました。
後日、石井さんから連絡はなかったものの、東京から鞍や馬の手入れ用品、乗馬用のブーツなどをまとめて送りました。仕事柄、馬の活動にはお金がかかる事を知っていましたから。そこからお礼の電話や手紙などで石井さんとのやりとりが始まりました。
~支援をしていて印象に残っていることから~
石井さんと交流を始めてしばらく経ったある4月のことでした。牧場を訪れると、茶髪にピアスの不登校児童が何人かいました。挨拶もなく、横柄な態度で深くイスに座り「誰だ?何しに来たんだ?」というような訝しんだ目でこちらを見ていました。それが、その年のお盆に改めて牧場を訪れた際には、「お馬のおじちゃん!今日は僕が昼ごはんの当番だから、僕が作るチャーハン食べていってよ!」と明るく声をかけてくれました。「指導者や環境で子どもはこんなにも変わるのか!」と感動し、「この活動に私も何か力になりたい!」と思うようになりました。そこから、気持ちばかりですが寄付をしたり、馬手入れ用のブラシなどの道具類や絵本や教本などの馬関連の書籍をプレゼントさせて頂きました。珍しいものでは競馬会で使用済みの牧柵(新品同様)も寄付させて頂きました。
*現在も使われている牧柵。子どもたちが安全に乗馬を楽しむ事ができている。
~今後ハーモニィカレッジに期待すること~
私は馬の可能性を強く感じています。これからは「多様性の時代」だと思っています。その時代を生きていく私たちが、馬から学べる事はたくさんあります。ぜひ、今後も多くの子どもたちに馬と関わる機会を提供し続けて欲しいと思います。また、子どもたちだけではなく、幅広い年代の方々に馬の魅力を伝える活動も新たに創出してくれることを期待しています。
私は石井さんの心意気に惚れました。だから、次の世代が「手抜きせず」にやっているか、また時々チェックしに来たいと思います(笑)。
[タイタンの目・編集後記]
筧さんはとっても気さくで、ユーモアあふれる洒落た方です。インタビュー中も『「コロナ」にも困らされたが、鳥取の友人からの「来るな」にも困らされた』とニコニコしながらジョークを飛ばしてくれました(笑)。今回(R3.11.17)の訪問もサプライズで、東京に暮らす自分のもとに届いた他団体の資料を持ってきて下さり、「ハーモニィカレッジでもこういった広報活動をしたらどうか?」と提案して下さいました。設立当初より今に至るまで、石井亡き後もハーモニィカレッジを支え続けて下さる筧さんに「手抜きしない」姿を示し続けたいと思います!
以上、第三回「Harmony College Supporters」筧 邦男さんでした!次回もお楽しみに!
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