ハーモニィカレッジが掲げる「5つのカン」を育む事業の紹介をしていくシリーズ第4回。
ハーモニィカレッジの教育観に関する第1回目の配信はこちらからご覧になれます
「5つのカン」
① 感:五感を通して感じるという意味のカン
② 勘:直観などの勘が働くという意味のカン
③ 環:つながりの中で生きるという意味のカン
④ 観:先を見通すという意味のカン
⑤ 幹:自分らしい軸を持つという意味のカン
ハーモニィカレッジの教育観②「感を育てる」
夏休みも終わりに近づいてきましたね。まもなく2学期の「ぱっか」保育が始まります。今回はハーモニィカレッジ教育観のひとつ目「感」について書きます。就学前は、子どもの発達段階で幼児期と呼ばれ豊かな「感」を磨く時間にしたいと思っています。
この時期の子どもたちは、出会った全てに心を動かされ、感じる力の「感受性」は、この時期が最も育つと言われています。
「気持ち良い感触だから触りたい」「気になる臭いだから嗅ぎたい」「見たことないから眺めていたい」…それらはキレイや汚い、損や得など関係なく、出会いそのものに感動しているのです。私たち大人は「感性豊かに育ってほしい」と思っていても、忙しい日々の中で、どれくらいその感動を分かち合えているでしょうか。人工物に夢中になって自然から遠ざかり、自然に触れても知識を身につけることに気を取られ「感じる」ことが少なくなっていないでしょうか。
雨の日のぱっか。年中のゆかこちゃんが私の方に走ってきて手を引っ張りました。「えー、濡れたくない」と思いながら付いて行くと、大きな木の近くで立ち止まり、滴る雫を眺めていました。その雫に手をかざして、私の方を振り返りました。誘われるように手をかざすと、満面の笑みで「ほら!気持ちいいでしょ!?」と言わんばかりの笑顔になりました。私にも同じ景色が見えていたはずなのですが…同じ出来事でも感じ方ひとつで、湧き上がってくる感情がここまで変わってくるんですね(汗)。感受性が豊かな幼児期の子どもたち、ちょっとした日常や出来事が感動の連続だろうなぁ。いっぱい色んなことを感じてほしいと思った雨の日でした。
児童期に育つ「勘」を種だとしたら、豊かな感受性はその種を育む、肥よくな大地のようなモノ。幼児期はその大地を耕し、じっくりと熟成させる時間だと思っています。興味がないのに理論を教え、知識を暗記するよりも、新しいことや未知なモノに出会った時に湧いてくる感覚こそ大切にしたい。その感覚は種を育む“センス・オブ・ワンダー”だと思うのです。成長と共に右脳優位から左脳優位に変化していく中で、「考える」よりも「感じる」ことに集中できる時間があるから磨かれる力ではないでしょうか。
みなさんも、子どもと一緒に空を見上げてください。雨に濡れてみてください。そしてただ、その感覚を共感してください。子どもの感受性を育てるためには親の安心感や共感が不可欠です。親という太陽があるからこそ、子どもはじっくりと「感」を磨くことができるのです。レイチェルカーソンの言う「『知る』ことは『感じる』ことの半分も重要ではない」を信じ、2学期からも馬に触れ、自然の中に出かける子どもたちを、あたたかく見守りたいと思います。
大堀 貴士
いかがでしたでしょうか?
来週は、今回の「感」の沿ったぼくじょうようちえんぱっかの魅力をお届けしますので、お楽しみに!
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